(マヌケな)負傷と顛末
私はおしゃべりなのでご存じの方も多いと思いますが、先般自転車で転倒した際の怪我の顛末です。
皆様ご迷惑をお掛けしましたが、おかげさまですっかり良くなりました。
このような体験は十数年ぶりですが肉体的苦痛を味わうと日頃忘れかけている様々な事を考えさせられます。他人の痛みに対する理解も深まる気がします。しかし喉元過ぎればで、回復するとまたじわじわと忘れていくものです。私の備忘録です。
秋風爽やかな10月。思いの外忙しく、気がつけば釣り銭用の千円札と五千円札が足りない!という状況で、午前が暇な平日を見計らってご近所のT銀行に両替に行きました。
天気と相談しながらですが、リーマンショックや震災の影響で起きている自転車通勤ブーム以前からできるだけ通勤に自転車を使っている私は、この日も愛用のDAHONメトロ(小径の折りたたみ自転車)で出勤したので、徒歩で行ける距離の銀行へも自転車で出かけたのでした。
近年の自転車ブームは自転車大好きな私にとって嬉しい反面、このところ起こっているブレーキなしのピストバイク事故や自転車マナーの悪化など憂うべき事もあるので、愛好家であるほど交通ルールやマナーを守らねばっ・・・という殊勝な(当たり前な)心持ちで、徒歩で行ける距離の銀行へ自転車で出かけたのでした。
朝9時。出勤の車は少なくなり、営業車が出回りはじめる前のやや閑散とした通りを、しっかりと車道を左側通行、信号は二段階右折で徒歩とあまり変わらない速度(これはかえって危険かも)で、銀行にたどり着きました。
流石に窓口が開く時間の銀行は、駐車場に車の出入りがあり、店内は混んでいる模様。柳沢教授さながらに道路は直角に渡り一旦停止や左右確認を怠りなく銀行の敷地に進入した私は、周囲に動いている車も人もいない安全なはずの環境で、突然もんどり打ってこけたのです。
一瞬の出来事で、私には咄嗟に何が起きたのか理解できませんでした。ひたすら胸(と腹部全体)が痛い。気がつけば銀行の駐車場の真ん中で腹ばいに倒れていました。カーディガンの肘は破れ、どうやら出血もあるらしい。
息が出来ない位の痛みに耐えながら進入経路を見てみると、駐車場内にある雨水の排水溝のグレーチングと呼ばれる金属のアミアミの蓋が、境目が一部、5cm位の幅で隙間が空いています。ここに20インチの前輪がスポッと嵌って・・・つまり前輪が溝に落下して、そのまま前転したらしいのです。速度がゆっくりだったおかげで逆立ちした自転車から前の方に落車し、肘で受け身を取って頭を打たずに済んだものの、ハンドルのバーで胸を強打したようです。
誰も助けてくれないので、虫の息で両替を済ませ、きまりの悪い気分とあちこち痛い身体と前輪の回らなくなった自転車を引きずって職場へ戻りました。肘は洗ってラップを被せ、テーピング用テープで巻いておけば周囲も汚さないし、見た目関節保護なのか創傷なのか分かりません。午前の方をなんとか施術し、午後の方には断りを入れて、しかしお勤め帰りの方にはこちらから連絡できません。
なんとか痛みを堪えて施術したとして、後々悪い事にならなければ良いのですが・・・。
昼食を摂って横になると、痛みはさらに増して電話に出る事すらままならなくなり、これはいかんと外科もやっている自宅近くのクリニックに連れて行って貰い、胸部X線像を診て貰いました。出血と気胸の心配はなさそうで、肋骨のポッキリ折れている箇所も見当たらないが、状況から見つからないヒビがあるか肋軟骨が痛んでいる可能性が濃厚。
11、12番あたりがポッキリ折れていたら無理できないし、他の組織を痛めないように処置しなければなりませんが、そういうことなら問題は最悪6週間続く痛みだけです。ついでに肘のラッピングをやり直して貰いましたが、余計な治療をしない良いクリニックです。とはいえ痛み止めを断ってしまったのだけは迂闊だったかも知れません。というのも、その後しっかり6週間、痛みに耐えるハメになったからです。
夜の施術も何とか終わり、自転車も幸い乗れる程度には修理できたので、慎重に乗って自宅へ帰りました。アルミのフレームは折畳める関節部分がぎしぎし音を立て、ハンドルはグラグラします。走行中にまた突然自転車が分解したりしても大怪我しない程度の速度でよろよろ帰りました。
翌日は車で出勤です。しかし、車の方が痛いです。運転姿勢がそもそも痛い。ドアが閉められない。シートベルトが引っ張れない。ハンドルが切れない。アクセルとブレーキは問題なし。しかし危険です。一度途中で信号待ちの際にうっかりクシャミが出てしまい、苦痛で息が止まりました。到着。シートベルトが外せない。ドアが開けられない。降りられない・・・。車の方が余程危険です。
幸にも施術自体にはあまり影響ありませんでしたが、身体を横たえた方が痛い。横になると起き上がれない。立っている方が余程ましです。家ではお風呂に入れない。入ると上がれない。普通に立ち働いている分には痛みも強くないので油断してしまうのです。
2週間後の11月半ば。市販の痛み止めを飲みながら生活してきましたが、「あまり痛くないお風呂の上がり方」「クシャミの止め方」「それほど痛まない着替え方」などいくつかの技を習得しつつ、寝返りはまだ打てませんし咳は激痛ですが薬無しでもなんとかなりそうです。創傷の治りも順調で、傷跡はともかくラップ無しでも浸出液が服を汚す心配はなくなりました。
今回の怪我は銀行の敷地内での怪我だし安全配慮義務とかに絡んで賠償してもらうべき事なのかなとか、自転車の転倒だから交通傷害に当たるのかなとか、業務上の怪我は労災なんだろうなとか、たかだか自転車の前転でこんな事になるのだから、対車の事故とか歩行者にぶつかったとかだったらどうなっていた事か、あるいは頭を打って今頃まだ意識が戻っていなかったらとか、めったにない痛い思いをした期会に怖いケースをあれこれ考えて保険の見直しをしてみたりオプションに加入してみたり。
6週間経ちました。つい最近まで痛かった寝返りやクシャミも咳も痛みはありません。横腹の一部をピンポイントで押すと痛む箇所が残っていますが、お風呂でごしごし洗っても平気です。長かったですが、やっと普段通りの清潔な身体です。自転車もテールランプや反射板をこれでもかと増設し、グラグラするヒンジも直し、ついでに後輪のタイヤやチューブも履き替えました。
気がつけば季節はすっかり冬です。冬の上着に反射タスキをかけ、耳当てや手袋,ネックウォーマーで防寒して毎日自転車通勤です。エコロジーは言い訳でエコノミーが本音です。ですが今日は灯油の買い出しや荷物の運搬があるので車です。これからいよいよ寒くなると車通勤に逃げる事が多くなるでしょう。
皆様もくれぐれも事故や怪我にはご注意ください。冬至を過ぎると日差しはまぶしくなりますが寒さはこれからです。
件のネックウォーマー、いいですよ。自転車用に買ったミドリ安全のネックウォーマーは、試しに夜寝巻にして寝てみたら翌日の調子がとてもいいです。冷えを温熱療法で解消しようとするよりも、先ず冷やさないようにする事が大切です。起きている間の寒さよりも、体温調節が鈍い睡眠中の保温が難しいです。身体は布団でぽかぽか暖かくても、露出している箇所は放熱させられているからです。
寝巻以外に自転車用と実家の両親用に買い足しました。オススメです(因みにミドリ安全やユニクロの回し者ではありません)。
皆様にあれこれと気を遣わせてしまった怪我でしたが、完治宣言です。おかげで自転車も車も走り方が変わりました。大晦日は多分雪の新潟まで車で走ります。気をつけて行って参ります。
皆様もどうか良い暮れ新年をお過ごしください。何度も言いますが、首は冷えてから温めるより冷やさないように保温に留意してください。






